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求人情報の作成は斡旋になるので行いませんが、何か気にしておくべき点はありますか?
求人情報を作成する際には、気をつけるべきポイントがあり、法律で禁止されている表現もあります。違反すると求人を掲載している企業側に罰則があるだけでなく、求人企業側に対してはもちろんの事、サイトに対しても求職者からの信頼を大きく失うことにも繋がります。
有料職業紹介の認可を持たない場合は、求人広告の代行作成、執筆は斡旋にあたるため出来ませんが、求人企業が作成した求人原稿のが法的に問題があるかどうかのチェックはサイトの信頼性を保つためにも必須であり、斡旋には該当しません(あくまでも法的チェックのため)。有料職業紹介に関しては⇒求人サイトの運営に職業紹介業の許可は必要?をご確認ください。
求人サイトを運用される方は、最低限以下にご紹介する5つのポイントを頭に入れて頂くべきであります。
一番に注意するべきなのが、求人情報の中に性別を指定した表現を使うことです。募集の際に男女を差別することは、「男女雇用機会均等法」という法律で禁止されています。
禁止されている内容には、以下の5つがあります。
・男女どちらかを、募集対象からはずすこと
・男女どちらかの、募集条件・選考基準を変えること
・男女どちらかの、採用を優先的におこなうこと
・男女どちらかの、求人情報の提供内容を変えること
それぞれどういうことなのか、次からご説明します。
求人情報を作成する際に、男女どちらかを募集対象からはずすことは、禁止されています。例えば、事務職は女性のみ採用、管理職には男性を採用、というように、あらかじめ決めて募集をするのはいけません。
よくやってしまいがちなのが、「退職したのが女性だったから、後任も女性を採用しよう」というものです。これも、女性の採用をするために、男性を対象からはずすことになりますので、禁止です。
男女どちらかを募集対象からはずしていなくても、募集条件や選考基準を変えてしまうのは禁止です。例えば、女性の応募者にだけ、「未婚であること」というような募集条件をつけることはしてはいけません。
業務上必要がないのに、身長・体重に基準を設ける、体力を募集条件に入れることもできません。これらは男性を優先に募集しているように感じられるからですね。
求人情報に、このような募集条件を記載することはできませんので、注意するようにしてください。また、選考の際、男女で選考基準を変えることもいけません。
・男性は適性試験がないのに、女性には適性試験がある
・女性のみ、子供が生まれた後も働く意思がある人を採用する
・男性のみ、管理職になる意思がある人を採用する
このような選考基準はトラブルになりかねませんので、気をつけましょう。
男女一方の採用を優先的におこなうことも禁止されています。「男性だから」「女性だから」という理由で採用を決めることはもちろん、あらかじめ「男性5人、女性1人採用する」と決めて募集することもいけません。
無意識にやりがちなのが、男女どちらかのイメージのある名称を載せてしまうことです。募集職種の欄に、ウエイター、看護婦、保母など、一方の性を積極的に採用するように見える書き方は避けましょう。
上記の場合、ウエイターはホールスタッフ、看護婦は看護師、保母は保育士と記載するのが正解です。
求人情報の内容では男女を差別していなくても、求人情報の提供の際に違う対応をおこなうことは禁止です。例えば、男女双方から資料請求があっても、女性の採用希望のため、女性にしか資料を送らない、というような扱いはいけません。
説明会などで、男女どちらかの採用は少ないというような、採用に消極的であるかのような発言もいけませんので、注意してください。性別ではなく、あくまでも応募者の適性や雰囲気を重視するようにしてください。
求人情報に記載する際、年齢を制限する表現も禁止されています。例えば、募集年齢に「18~35歳」というような記載はできません。
これは「雇用対策法」によって決められており、基本的に「年齢不問」にしないといけません。公共職業安定所(ハローワーク)を利用して求人をおこなうときだけでなく、民間の事業者や求人広告を利用する場合も同じです。
パート、アルバイト、派遣といった雇用形態も関係なく、指定不可です。ただし、労働基準法やその他の法令の規定で年齢制限がある場合は例外になります。危険有害業務や警備業務の場合は、18歳以上であることが定められていますので、「18歳以上」と記載可能です。この場合でも、上限は指定できませんので気をつけましょう。
性別や年齢以外にも、応募者を限定するような表現はできません。以下のような内容が該当します。
応募者の外見について、ひげ不可、長髪不可というような指定はできません。応募者の外見ではなく、中身を判断してほしいからです。
資格を持っていることを、応募の際の条件に入れることはできません。例えば、経理課で働く際に、簿記の資格は必須ではないです。
もちろん知識としてもっていることは大切ですが、必須ではないため、募集要項に「簿記2級を持っていること」と記載することはできません。この場合は「簿記2級程度の能力を持っていることが好ましい」というように、限定しない表現にするのが好ましいです。薬剤師や、ドライバーの運転免許のように、必須な資格は記載可能です。
経験○年以上という指定をすることはできません。経験が少なくても、きちんと仕事に向き合える人材は多くいるため、一概に経験年数では、はかれないためです。
本籍や、出生地、国籍など、本人の自由にできない事柄で、募集に条件をつけることは禁止です。もちろん、選考基準に入れることもできません。
本人の自由である事柄で、募集を制限することもできません。具体的には、宗教や支持政党、購読新聞などが含まれます。「○○新聞を読んでいる人を優先して採用」ということはできません。
求人情報に記載している給料額が、最低賃金を下回っていないか、必ずチェックするようにしましょう。
最低賃金とは、「最低賃金法」によって決められた賃金の最低額のことをいいます。最低賃金には、地域別最低賃金と、特定(産業別)最低賃金があります。
「地域別最低賃金」は、産業や職種に関係なく、各都道府県の事業場で働くすべての労働者に適用される最低賃金のことをいいます。「特定(産業別)最低賃金」は、特定の産業に設定されている最低賃金のことをいいます。
違反した場合、違反した内容によって罰則が定められていますので、最低賃金を上回っている金額が提示されていることを確認しましょう。
近年増えてきているのが、他社の求人内容や画像をコピーして使用することです。求人情報にも著作権があります。
他社の求人に似たような求人内容があったからといって、他社の求人を丸ごとコピーするのはいけません。また、求人にちょうどいい写真があったからと、許可なく画像を持ってくるのもいけません。
コピー元の企業からクレームが来るだけでなく、最悪、裁判沙汰になる可能性もありますので、安易なコピーはしないように気をつけましょう。
以上、求人情報を作成する際に注意するべき5つのポイントをご紹介しました。応募者に自社の存在を知らせることができるのが、求人情報です。信頼を損なうことのないように、しっかりと内容を精査し、良い応募者と出会える求人情報を作成してくださいね。
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